ナナカマド

忙しいという状態が嫌いだ。でも人生はいつも忙しい。27年と10ヶ月過ぎたけどずっと忙しい。すぐ引越して新しい場所になるし。言葉と文化を覚えて、新しい人に出会って。忙しい。ずっと忙しい。読書と音楽と、友達とあれこれ話せる時間とか思い出になるような時間とか、生活とか日常とか。そういった人生の豊かさが欲しい。久しぶりのまともな休みで一旦人間に戻った気がしたけど、冷静になるとここ1ヶ月くらいのストレスと麻痺は、かなり自分の人生に良くないことだなって感じた。本来の自分が何か、反応が多すぎる毎日が続くと自分を見失うし、自分を見失うと社会性が全くない人間になって壊れる。人は結構簡単に壊れる。自分がどう言う状況になると壊れるのかも知っている。でもそれが自分の力だけじゃ阻止できない時があって、結果壊れるしかなくなる。

 

これが自分を苦しくさせているのはわかっているけど、大概の人間の興味がない。興味がないか好きかしかなくて、興味がない人間に興味があるフリをしなくちゃいけないのが、私にとってはずっと苦行で、でも社会性を持つにはそれをするしかなくて、とにかく頭を使ってプロファイリングをしていく。職場の人なんて一縷も興味が持てない。それでも、わからないもの、わからないことに対するストレスってすごい訳で、そのストレスを軽減する為に人を理解する努力をしている。人がすきって人はすごい。根本的に人がすきじゃない。人間より動物の方がずっとすき。でも人間と生きるなら人間とうまくやらなくちゃいけない。とにかくよく見てるし、その人の使う言葉とか反応とか、サンプルをたくさんとって自分の中で統合させていく。どんな人だって癖や傾向があるし、ずっと見てるとだんだん輪郭がはっきりしてくる。そうやって興味もない人のことをずっと調べて、その人とうまくやれる自分を今度は生成していく。仕事っていうのはそこまで考えてやってる。個々のやる気とか気持ちだって大事なリソースである。パフォーマンス高い状態で働けるように、自分がどこに立ち、どういった役割で機能できるか考えて行動してる。だからいつの日か言ってた「仕事なんて全部嘘」って言うのはそういうことなんだ。心にもないことを平気で言えるし、思ってもないことをまるで本気かのように言える。それでも誰も、それが本心じゃないって気づいてくれないから、受け取る側の印象としては私は「それ」になっていって、今度は「それ」に答えるべくの「私」になっていく。結局すべてうまくまわることとかが正になってくると、自分のことがどんどん後回しになって結果壊れるまで追い詰められた時にはじめて自分になる。なんだか切ない人生だ。

 

ずっとずっと誰かにわかって欲しいって言うことを思って来て、多分10歳くらいからずっと解決してなくて、学生時代の友達とかもう10年、20年の付き合いになる友達とかもいるけど、ほんとにわかってくれないなぁ...って思うことの方が多いんである。いろんな人にいろんな角度でその話をして来たけど、意見は二つに分かれて、「全部わかる人なんていないよ」か「いつか君をわかってくれる人に出逢える」か二つにひとつ。もう十何年と同じ悩みと向き合い続けた身としては、いつか解決してくれないと今日まで生きてきた意味がない、くらいに思うんだけど、私からはわかるもの・人っていうのは結構いて、ただ適切に繋がらないんだと思う。結構積極的だと思う。でも相手にはそう思ってもらえないっていうのは、そういうことなんだと思う。一方通行じゃ、恋愛も友情も成り立たないものだから。最近自分の話が難しいな、とも自分で思う。でも複雑なことを言っているようで同じことでしか悩んでないし、同じことしか言ってない。それに誰も気づいてくれないんだ。誰も理解してくれない。

 

京都に来て、わかったことは結構あって、自分が何者なのかどこの人間だったのかも、わかるようになった気がした。京都の街も京都の人もすきだし東京よりもずっといい。だけど東京ではありえないことが京都ではおきるし、でも忘れちゃならんけど京都であり得ないことが東京では起こる。どっちもどっちだけど、どっちが人間かというとよっぽど京都の人の方が人間だと思う。(何の話?)とにかく自分を見失ったら負けと言う話。でもこの状況だと今後もまた見失なっていくように思う。ずっと自分に嘘をつき、場に合った人間を演じ続ける。仕事ってそういうもの。でも帰ってきて来られる場所も欲しい。自分のことを知っている人が自分以外に欲しい。その為にやらなくちゃいけないことがあって、それにリソースを割けなくて、やっぱり嘘100%生きる日常だもの。何かしらで手を打たないと。ただただ時間は過ぎて行く。一度しかない人生なのにな。こんなはずじゃなかった。こんな思いしたくなかった。こんな生き方したくなかった。こんな人間になりたくなかった。どうしたらいいだろうか。ほんとに。どうしていったらいいだろう。