別の星の同じ座標に立っている人に出逢いたい

20歳を過ぎたあたりから、初めて会った人なのに初めてじゃない気がする人に稀に出会うようになった。稀、どれくらいの頻度だろう。出会った時は全く友達になると思わなかった〜って人と今では大の仲良し、っていう存在は私の中には皆無である(たぶん)。他人に対する感情は、ほどんど「好き」か、「興味がない」の二択しかない。最初からすきか、そうじゃないか。最初から仲良くなれるか、そうじゃないか。

 


同じ様な界隈をうろうろしてたり、もっとシンプルに仕事だったり、物理的に近い距離だったり、すれば否応なくその人のことに関心が向いたりするし、コミュニケーションの中で人間関係は育つのも確かだけど、ファーストインパクトの強い人には結局勝らない。前付き合った人もその前付き合った人も、ほぼ初対面、会って2秒で見抜いてきた。「君、誰?」って。現実に。

 


初めてなのに前から知っていた様な感覚。たぶん遺伝子的に近いか、生い立ちが近いか、それ以外の何かの共通項なのか。わからないけど。最後までその理由がわからない時もあるけど、とにかく一緒にいることに何の違和感のない人とか。


距離が離れてしまったり、生活の中でなかなか会わない存在になっても、繋がっていたい人には折りを見て連絡してる。意味も文脈もなくても、連絡したりする。SNSだって本当に興味がある人しか観てないし、興味がある人のことは結構な頻度で考えているので、連絡した時に「久しぶり!」とかって言われると割と落ち込む。(逆も然りだけど。)いや、私にとっては全然久しぶりじゃないんだけどな。って。SNSならわかりやすく、いつも観てあーだこーだ思ってる。現実の生活がひとりでいる時間が多いことの特権か。


自分の中で明らかにピンと来る人に対しては、どうも人生の答え合わせみたいになってくるのか、単純にとても興味があるから、できるだけ接点を持って知ろうとする。結構だから友達でも恋愛でも積極的なのかもしれない、駆け引きとか言ってる地点でたぶん、それは後付けの恋愛っぽい。最初は単純な興味、圧倒的に惹きつけられるなにか。会いに行って会話して、わからなかった挙動や行間、言葉や仕草は映像記憶して何度も何度も反芻して考える。相手の立場とか年齢とかいろんなことを踏まえて考えたりして。作品だともっとわかりやすくて、もっと宇宙。全く知らない国の知らないアーティストの作品でも、ピンと来るものはピンと来る。だから割とひとりで動けるのもある。


自分はそうやって、第六感なのかサードアイなのか(いや、ちょっとしたただの勘)わかんないけど、そういうところがめちゃくちゃハッキリしている時があるので、普通の人っぽく、自然な感じにできない時も多い。自分と向き合うことを真面目にし過ぎて来た人生なのか、あるいは失敗が多すぎた人生なのかわからないけど、他人の入る隙もなく自分の事は自分で把握しすぎてるので、本当に悩み抱えている時は誰の言葉もピンと来なくて返って孤独が助長されたりする。それでも、どんなに完璧に自分を理解していたとしても、自分以外の誰かがしてくれる行動は、自分では作れない。ずっとこれを、相手にも思って来た。投影。自分がして欲しかったことを、たぶん外側に立てた自分は誰かにしているだけ。


ご時世なのか年齢的なものか、友達と思っていた人とはどんどん疎遠になっていくことの方が多い。自分から連絡しなくなると向こうからは連絡が来ないって人の方が多くて、ひとりよがりなんだなと実感する。だから情けなくなってだんだん連絡しなくなる。誘われたら行くけどっていう人ばかりで、そんな受動的に生きていて忙しい人達はどれだけ周りの人に愛されているんだろうと思うと純粋に羨ましくなる。


自分理解度があがるにつれて、ああわかってもらえてないなぁ、わかってもらえないよなぁとどこかで思ってしまうから、喋る内容もなんとなく自分でチューニングして、どっちかっていうと聞き手に回って、インタビュアー的な感じでコミュニケーション取ることが多くなった。この姿勢でいると、自分のことを聞いてくる人ってとても少なくて、みんな自分の話をよく話すから、やっぱりわかってもらえない。余計なお世話だけど、私と話す時に聞き手に回ってくれる聞き上手な友達にも、ちゃんと喋らせるようにしてる。人の話聞くのも楽しいけど、バランスがとれないと帰った後にちょっとだけ虚しい気持ちになるから。コミュニケーションはキャッチボールじゃないと。


ここまで書いた私の文章も、意味がわかるって人と支離滅裂って人とハッキリわかれる。最近はすごいわかるよって言ってくれる側の人がほとんどいなくなっちゃったから、ただの公開自問自答だな。11歳から始まったこの文章にして書く癖は、歳重ねるほどに、ちゃんと文章になって来ている感じしているから、いつかコラムでもエッセイでも書いて世に出せる日が来るといいな。

いろんなことを自己完結させる。出逢えても明日がないみたいに動けなくもなってきた。生きることは器用にも不器用にも。ちゃんとした大人でいるっていろんなことを失うんだ。